Web連載

「この気持ちもいつか忘れる」住野よる

No. 2-1

 生地がぎっしりと詰まったドーナツを咀嚼する。ふと気がついて席を立ち、リビングの隅に置かれているラジオの電源を入れた。普段なら、母がラジオを聴きながら家事をしているために俺が帰宅した時は常についているが、出かける前に消していったのだろう。ラジオパーソナリティの声に耳を傾けるわけではないけれど、ラジオが鳴っている場所で育って来たから、無音よりもラジオの音が鳴っている方が余計なものを聴かずに済む気がする。

常時、2回分のみお読みいただける状態になりますので、お見逃しなく!
(ex. 1-1、1-2と更新後、1-3が掲載された時点で1-1の掲載は終了となります。)