Web連載

「この気持ちもいつか忘れる」住野よる

No. 1-2

 何もしていない時間に、以前は暇つぶしで本なんて読み漁っていたこともあった。

 おかげで無駄な知識を色々と蓄えてしまったが、それ以上の収穫は特になかった。俺は特別にノンフィクションを嫌っているということに気がついたが、収穫ではない。正確には、実際に起こった出来事が、作り上げられた話よりも上等であるかのような扱いを受けていることが気に入らない。あれらの話にくっついてくる常套句。真実の物語だの、実在の人物の半生を描いた、だの。その場に運よく居合わせた奴の話だなんて何が面白い。ましてや希望になんてなりえない。
「鐸木(すずき)、五行目から次の段落まで読んでくれ」
「はい」

最新話は常時、2回分のみお読みいただける状態になりますので、お見逃しなく!
(ex. 1-1、1-2と更新後、1-3が掲載された時点で1-1の掲載は終了となります。)